- 社員様インタビューのお仕事
- 組織の生産性逓減と属人化



nomeの古藤です!
先日、ある企業の方(社員の方2名と代表取締役の方)3名にインタビューを行う機会がありました。
事前情報はある程度あったものの、はじめてお目にかかる方々でした。
テーマとしては企業の中で、あるプロジェクトにおける「縦割り⇔持ち回り」だとか「円滑な情報共有の為の工夫」みたいなところでしょうか。
こうして今、インタビュー全体を振り返った時には、「こんな話だったなぁ」とテーマとして挙げることができますが、ぼくが何か、予めテーマを絞って「こんな話を引き出そう」と思って出てきたものではありません。話を進めるうちにお三人から自然と出てきたものです。
だからこそ、
三者三様、それぞれ説得力があった。
きっと、日頃の業務の中で常に意識し、細かな修正をしながら、現時点での結論として、ここでこうして語って下さっているんだな。と感じた。
と、今日はそんなお話です。
「持ち回り」と「円滑な情報共有の為の工夫」
お三人との話の中で、繰り返し出てきたキーワードがこの「持ち回り」でした。
そもそもの今回のインタビューの目的、きっかけとして、この企業様が新たにSNSの発信に力を入れていくに際して、日頃の働きぶり等をインタビューを通じて記事にする。というものがありました。
ぼくは勝手に、「ブログ担当者」とか「広報担当者」みたいな人が来るんだろうなと想像していた訳なんです。
ところが、誰に話を聞いても「私じゃないです」「担当という訳ではなくて、、」との答えでした。
「いや!担当は誰かおるやろ。たまたま、あうんの呼吸で今日ここに集まった訳ちゃうやろ。」と思いました。
初対面のぼくに対して警戒心剥き出しで、責任者の存在を敢えて煙に巻いているのか。
なぜなら、リーダーの顔が知られて首を取られることを恐れているからなのか。とまで考えました。
江戸時代、領主に対して起こしたいわゆる一揆。
その参加者の名簿みたいなものをつくる時、上から順番に名前を書いて一番上の奴がリーダー、首謀者として罰せられるのを防ぐため、名前を寄せ書きのように円形に、放射状に署名した、あの傘連判が思い出されます。
当然ながら、その後、誰が首謀者なのかと取っ組み合いの喧嘩に発展していたらこんなところでこれを書いていません。
話を戻します。
日々のお仕事についてお話を聞く中で、「社内の雰囲気について、以前との比較」みたいな話が出ました。
以前はどのプロジェクトにも担当者、リーダーを置いて進めていたが、次第に、リーダー任せ、またはその担当者以外は誰も中身を知らない、知ろうともしない。そんな風潮が少なからずあったそうです。
そこで敢えて、担当者やリーダーみたいな概念を取っ払い、社内全体で一つのプロジェクトに向き合う風土を一から作り上げていかれたそうです。
今回のSNSへの取り組みも、勿論、中心になって進めていく人というのはいるけれど、言うなれば「みんなが責任者であり担当者」といった形で進めている。とのことでした。
今回、インタビューに参加して下さったお二人も、まずは「自分、行くっす」と手を挙げ、今後この形や(SNS担当者みたいなものを)今日のインタビューの雰囲気を周囲に伝えていき、持ち回りで担当していく。と力強く語っておられました。
それを聞くと確かに、
全員が首謀者の目をしておられました。
だからこそ、日々の会議で意見が活発に出にくい時の苦労や葛藤は聞きごたえがありました。
「円滑な情報共有の為の工夫」
リーダー、担当者を置かない利点と同時に、弊害も頭をよぎりました。
担当者がいなければ、そのプロジェクトが全く動いていかない、リーダー任せにすら、ならない、「全、人任せ」みたいな状況になったりしないのか。という点です。
その点で、社長様のお話は非常に興味深かったです。
プロジェクトが停滞しない為の工夫。
一例として、
職場のデスクの位置を固定化せず、毎日違う場所で仕事をするようにしたそうです。
当然、隣に座る人も日々変わります。
部署や職種も異なる、これまであまり接点がなかったような人の横で仕事をする機会が生まれます。
自ずと、フロアのあちらこちらで、会議室を借りずともミニ会議が活発に行われるようになったそうです。
職種を超えた意見交換は、互いの仕事内容の理解を深め、各人の人となりを把握する場として機能し始めたそうです。
人となりの理解というのは、単に仲を深めるという部分だけでなく、仕事を円滑に進めるに当たって、とても重要ですもんね。
営業!とか、総務!
とか机でかたまって、島みたいになっているところに、何かを頼みに行く、質問しに行くってすごい緊張しますよね。
歴史で言うと、
財閥解体
社内のあちらこちらでミニ会議が開催され、どんどん大きくなっていく様は、
同時多発ムラからクニへ。
といったところでしょうか。
今回のインタビュー、終わった数日後、社長自ら、記事を複数、連射されていたところが、この企業の雰囲気を象徴しています。
「持ち回り」の先陣を社長自ら、背中で見せるんですから。すばらしいですよね。
インタビュー当日の帰りに寄ったコンビニで、品出しをしていた店員さんが、増えてきたレジの列を見て、お会計に走る。
そんな何でもない光景にも、
「持ち回り」をいろいろ想像できるように一つ、なりました。
ありがとうございます。